LANケーブルは数字じゃない!CAT6Aが家庭用最適解である理由

LANケーブルを選ぶとき、「数字が大きければ高性能」って思ってませんか?
かつての私も、まさにその感覚でCAT8をありがたがっていたひとりです。
ところが、自宅に10Gbps対応のLAN環境を整備したとき、
その思い込みが通信不安定やノイズの原因になりかねないことを知りました。
そしてこの記事を書いたことで、同じような誤解を持つ読者が多いと確信。
なぜなら…記事ではCAT6Aを推してるのに、売れてるのはCAT8だったんです笑
本記事では、LANケーブルの「数字信仰」に警鐘を鳴らしつつ、
家庭環境に本当に合ったLANケーブルの選び方を、かつての自分に向ける気持ちでお伝えします。
「買ってから後悔したくない」あなたにこそ、読んでほしい内容です。

なぜ“数字信者”になったのか

LANケーブルに限らず、数字が大きければ高性能――そう思っていた時期が私にもありました。
「CAT8」「40Gbps対応」などのスペック表記はインパクトが強く、つい信じたくなるものです。
特に、製品選びに慣れていない人ほど「なんとなく高そう、凄そう」という感覚で選びがちです。
私自身も、10Gbpsの回線とルーターを導入するまでは、LANケーブルの種類にそこまで深い意味があるとは考えていませんでした。
Amazonの売れ筋ランキングやレビュー数、ケーブルの見た目に影響されて、
“とにかく数字が大きいケーブル”を選べば安心だろうと、どこかで思い込んでいたんです。
このセクションでは、そんなかつての私と同じように、
数字に惹かれてCAT7/CAT8を選んでしまう人たちがどのような心理でそうなるのかを掘り下げていきます。
僕もかつてはCAT8信者でした
正直に言って、LANケーブルなんて刺さって通信できれば全部一緒だと思っていました。
特に、スペック表に「CAT8」「40Gbps」「シールド付き」などと並んでいるのを見ると、
「なんか強そうだし、これにしておけば間違いないでしょ」と、迷いなく選んでいた記憶があります。
当時の私は、Amazonの売れ筋ランキングや★の数、見た目のゴツさばかりを気にしていて、
カテゴリの意味やシールドの有無、機器との相性といった本質的な要素はまったく理解していませんでした。
振り返ればこれはもう“数字信仰”の典型例。
製品知識が曖昧なまま「数字がデカい=高性能」という先入観だけで選んでいたんです。
ケーブルに「アース」が必要?そんなの知らなかった
10Gbps対応のルーターやスイッチを導入して、LAN環境を真面目に構築しはじめた頃、
それまで気にもしなかった「シールド付きLANケーブル」について調べる機会がありました。
そのとき初めて知ったのが、シールド付きのLANケーブル(STPやS/FTPなど)は“アース接続”が前提だということ。
もっと言えば、シールド部分はアースに接続されないと、逆にノイズを拾ってしまうことすらあるというのです。
しかし、冷静に考えてみれば、一般家庭用のルーターやスイッチにはアース端子なんてまず付いていません。
つまり、せっかくの高性能ケーブルも、接続する機器の側が対応していなければ本来の性能を発揮できないどころか、むしろマイナス要素になり得るわけです。
この事実を知ったとき、「これまでの自分の選び方は、ほとんど“スペックの呪文”に騙されてたんだな…」と苦笑するしかありませんでした。

10Gbps環境で“違和感”が始まった

LANケーブルの選定について真剣に考えるようになったのは、実際に10Gbps対応のLAN環境を整えたときのことでした。
それまでは「カテゴリは数字が大きければ良し」と思って選んでいましたが、
実際の通信の安定性や速度に“ん?”と感じるようになったんです。
速度が出ていないわけではない。でも、妙に不安定だったり、特定の機器だけ挙動が怪しかったり。
「ルーターやスイッチの問題か?」と疑ってみたものの、どうもケーブルの存在が気になりはじめました。
このセクションでは、数字だけを頼りに選んだLANケーブルが、なぜかえって問題を引き起こすのかを実体験をもとに深掘りしていきます。
通信の挙動がなんかおかしい
10Gbpsに対応した回線・ルーター・スイッチを導入して、LAN環境がようやく整った頃のこと。
通信速度の計測結果にはそれなりに満足していたのですが、どうも妙な違和感が残っていました。
具体的には、「速度が安定しない」「たまに接続が一瞬途切れる」ような現象。
再起動すると直るけど、しばらくするとまた発生する。機器自体に異常はなさそう。
そして徐々に、「もしかして原因はケーブルじゃないか?」という疑念が湧いてきました。
使っていたのは、CAT8のシールド付きLANケーブル。
“最上位クラス”のはずのケーブルが、なぜか安定しない通信の原因っぽい。
そこからLANケーブルに関する情報を本気で調べ始めることになります。
調べた結果、LANケーブルが原因だった
「CAT8 ケーブル 不安定」「シールド LAN ノイズ」
そんなワードで検索をかけてみると、思いのほか同じようなトラブル事例が出てきました。
そこで初めて知ったのが、シールド付きLANケーブル(STP, S/FTPなど)は、正しくアース接続されていないと逆にノイズを拾う可能性があるという事実。
つまり、ケーブル自体の性能は高くても、使う環境によっては逆効果になるということ。
そして、私が使っていた民生機器には当然ながらシャーシアースの端子はなく、
シールドが中途半端な形で“浮いた”状態になっていたわけです。
この時点でようやく「高性能ケーブルの“性能”が、機器側の対応に依存している」という
当たり前だけど見落としがちな真理に気づくことになりました。

適切なLANケーブル選びとは?

LANケーブル選びで最も大事なのは、数字の大きさや見た目のインパクトではなく「使う環境に合っているかどうか」です。
性能が高い=必ずしも快適な通信ができるとは限りません。
特に一般家庭のネットワーク機器では、ハイスペックなケーブルが“宝の持ち腐れ”になることもあれば、逆に問題の原因になるケースすらあるのです。
このセクションでは、民生機器におけるベストバランスといえるCAT6Aの特性を紹介しつつ、
どんな場面でCAT7やCAT8が必要になるのか、カテゴリごとの「正しい使い分け方」について解説していきます。
一般家庭での最適解はCAT6A
LANケーブルを選ぶうえで重要なのは、「性能の高さ」よりも「環境との相性」です。
10Gbpsに対応していても、それを活かせる機器や設置環境でなければ意味がありません。
その中で、家庭用途において最も最適解となるのがCAT6Aです。
以下に、現在市販されている主なLANケーブルのカテゴリごとの比較表を示します。
カテゴリ | 最大通信速度 | 帯域幅 | シールド有無 | コネクタ形状 | 家庭用での適性 |
---|---|---|---|---|---|
CAT5e | 1Gbps | 100MHz | UTP中心 | RJ-45 | △ 最低限レベル |
CAT6 | 1Gbps(最大55m) | 250MHz | UTP or STP | RJ-45 | ◯ 一般的に普及 |
CAT6A | 10Gbps | 500MHz | UTP or STP | RJ-45 | ◎ 最適解 |
CAT7 | 10Gbps | 600MHz | 常にSTP | GG45/Tera(RJ-45互換あり) | △ 要注意(アース前提) |
CAT8 | 25〜40Gbps | 2000MHz | 常にSTP | RJ-45 | × オーバースペック/ノイズ拾いやすい |
CAT6Aは、10Gbps通信に対応しつつ、RJ-45端子で一般機器にそのまま接続できる点が大きなメリット。
またSTP/UTPどちらのタイプも選べるため、家庭用機器との相性も取りやすく、トラブルのリスクも低いのが特徴です。
💡 補足:STPとUTPの違いとは?
- UTP(Unshielded Twisted Pair):シールドなし。一般家庭向けでノイズ源が少ない環境に最適。
- STP(Shielded Twisted Pair):シールドあり。外来ノイズに強いが、正しくアース接続されていないと逆にノイズ源になることも。
家庭用ルーターやスイッチにはアース端子がないことが多いため、STPタイプを選んでも効果を発揮できない可能性が高く、UTPの方が無難です。

執筆中の余談:私も一瞬焦りました
この記事を書いてる途中、ふと自分のLANケーブルが気になって確認してみました。
「ん?……俺、CAT6Aのフラットケーブル使ってたよな?あれってもしかしてSTPだったらヤバくね?」
冷静に考えると、フラットタイプは構造上ほとんどがUTP。
販売ページを見直してもやっぱり「UTP」表記だったので安心しましたが……
“わかってるつもり”でも、ちょっとした拍子に不安になるのがこの世界の怖さ”なんですよね笑
読者の皆さんも、「あれ、自分のLANケーブルってどうだったっけ?」と思ったら、
一度確認してみるのをおすすめします。ケーブルの見た目だけじゃ分からないこと、意外と多いです。
CAT7・CAT8はどこで使うべきか

CAT7やCAT8といった上位カテゴリのLANケーブルは、一見すると「最強に見える」存在です。
最大40Gbps・2000MHzというスペックを見ると、「せっかくならこれにしておこう」と思いたくなる気持ちもよくわかります。
しかし、これらのケーブルは設計思想そのものが家庭用とは異なります。
具体的には:
- シールド構造が必須(= STP前提)
- 正しくアース接続できる環境が必要
- 対応コネクタや機器も特殊(CAT7はGG45/Teraなど)
つまり、「ケーブル単体では真価を発揮しない」設計なんです。
では、どこで使うのが正解か?
- データセンター
- ノイズの多い産業機器環境
- アース設備が整った法人向けシステム
- 機器側が完全にCAT8準拠している構成
このような環境では、CAT7/CAT8の持つ性能がようやく意味を持ちます。

家庭用では逆にリスクにも
一方、家庭内LANでCAT7/CAT8を導入するとどうなるか。
接続先が民生ルーターやスイッチの場合、シールドが宙ぶらりんになり、適切に処理されないまま残ります。
このとき、シールドはノイズを防ぐ“防御”ではなく、環境ノイズを拾ってしまう“アンテナ”のような存在になってしまうのです。
結果として、通信が不安定になる原因になりかねないという落とし穴があります。
数字が大きい=最適解とは限らない。 家庭用途では、対応機器とケーブルの“バランス”が何より重要です。
記事を書いたらAmazonでCAT8が売れた話

読まれてるのに買われるのは“高い方”という現実
この記事やBLOG内の関連記事では一貫して「CAT6Aが最適解です」と繰り返し述べてきました。
しかし、Amazonアソシエイトのレポートを見てみると……売れてるのはなぜかCAT8のケーブル。
まるで「内容はちゃんと読みました。でも、数字がデカい方を選びました」と言われているようで、思わず苦笑い。
もちろん、意図的にCAT8を選んでいる読者もいるとは思います。
でもそれ以上に、「CAT8ってなんか凄そう」「高いほうが良さげ」という“数字信仰”の根強さを感じる瞬間でもありました。
今後はもっとわかりやすく伝えたい
今回の記事を通して改めて実感したのは、正しい知識を伝えるだけでは不十分なこともあるということ。
特に初心者にとっては、「速い」「高性能」といった言葉のほうが、理屈よりも感覚的に刺さりやすいのだと思います。
だからこそ今後は、数字の“威圧感”を打ち消せるくらいの具体的な事例や、直感的な表現をもっと盛り込んでいきたい。
読者の「思い込みをリセットする」くらいの説得力を持った発信ができれば、それが一番嬉しいですね。
よくある質問(FAQ)
