Magic Keyboard難民の「次の1台」選び完全ガイド

Macユーザーなら、一度はその完成度に惚れ込んだことがあるMagic Keyboard。
けれど、完璧に思えたそのキーボードにも、「実は不満だった部分」や「他製品への興味」が芽生えてくる瞬間がある。
・複数デバイスに切り替えたいのにできない
・Touch IDがあるせいで他に乗り換えづらい
・打鍵感は好きだけど、もっと軽快なものも気になってきた…
そんなあなたはきっと、“Magic Keyboard難民”の仲間入り。
この記事では、筆者自身の試行錯誤を通じて見えてきた「理想の次の1台」を探すためのヒントと、数々の比較・発見・迷走の記録をまるごと共有します。
妥協せず選び抜きたいあなたへ――
Magic Keyboardからの“卒業”と“再出発”に向けたガイドの始まりです。
なぜMagic Keyboardに満足できなかったのか(悩みの出発点)

AppleのMagic Keyboardは、確かに洗練されたプロダクトだった。打鍵感の軽さと静音性、そしてMacとの親和性。最初は「もうこれしかない」と思えたほどに、指が吸い付くようなタッチ感に魅了された。
でも、使い続けるうちに見えてきた“限界”もあった。
特に痛かったのが、1台のデバイスしか登録できないという仕様。
仕事ではMac、プライベートではiPadやWindows機を使い分けるような環境だと、いちいち再接続する手間が無視できない。Bluetoothの切替がシームレスでないのは、地味にストレスになるポイントだった。
Touch ID付きのモデルを使っていた場合、Macと強く紐づいた使い方になってしまい、他機種ではその魅力が完全に活かせない。
「別のキーボードを使いたいけど、Touch IDがないと不便になるのでは…」というジレンマが生まれ、なかなか一歩が踏み出せなかった。
しかし、Apple Watch Series 10を導入したことでこの前提が覆った。
Macのロック解除や認証操作をApple Watchでカバーできるようになったことで、Touch ID搭載Magic Keyboardにこだわる理由が実質なくなったのだ。
これは、サードパーティー製キーボードに本格移行する決定打となった。
そして・・Magic Keyboardのキートップは意外に摩耗が早く、刻印が薄れてくるという声も少なくない。
特にヘビーユーザーほど「E」「A」「S」などのキーが先に禿げてきて、見た目にも残念な印象に。

長年使い続けていると、良くも悪くも“慣れ”が出てくる。
Magic Keyboardに満足しつつも、「他の製品と比べたらどうなんだろう?」「もっと自分に合ったものがあるのでは?」という探究心が芽生える瞬間がある。
それは、まさに“次の一台”を探す旅の始まりだった。
求めていた「理想のキーボード」条件とは?

打鍵感はMagic Keyboardと同じくらい軽く、静かであること
Magic Keyboardに慣れた人間にとって、“打鍵感”の違和感は致命的。
ガチャガチャとうるさい音、反発の強いキー、重たい押下圧――それだけで集中力が削がれる。
求めるのは、あのスッ…スッ…と吸い込まれるようなタッチ感。
それでいて、音が静かで周囲に配慮できるのも必須だった。
US配列でMac用キー配列が完璧であること
筆者は完全にUS配列派。Cプログラマー的な方なら・・・わかるよねこの感覚笑
理由は「記号の配置が直感的(特に [ と ] )」「日本語入力の切替が確実」「見た目がスッキリしていて美しい」から。
JIS配列にありがちな「余計なキーの詰まり」や「バックスラッシュ地獄」に悩まされたくない。

ちなみにマスターはJISキーボード使えない民なので無理に使うと10倍速くらいキーインが遅くなりますw
さらに、Macで使うならCommandやOptionの位置、fnキーなどがApple標準に準拠していることも重要。
US配列+Mac最適化という組み合わせは、実は思った以上にレアだった。
マルチデバイス対応で切り替えがスムーズなこと
1台だけ接続できる時代は終わった。
Mac・iPad・Windows機・スマホなど、複数のデバイスを使い分けるのが当たり前の時代。
だからこそ、Bluetooth/2.4GHz/USB有線などのマルチ接続に対応し、ワンタッチで切り替えられるかどうかは大きな評価ポイントになる。
「仕事中はMac、休憩時間はiPad、そのあとWindowsで作業」なんてときに、いちいちペアリングし直すのは無理ゲー。
サイズ感・見た目・静音性も妥協したくない
テンキーレスかフルサイズか――これは用途によって分かれるけれど、筆者の場合はMacBook Proの横に置いても違和感がないサイズ感が大事だった。
それに、見た目の美しさも気になる。安っぽいプラスチック感や、変に主張の強いデザインは避けたい。
さらに、「カチャカチャうるさくない」ことも絶対条件。
在宅ワークやカフェ作業で音が響くようなキーボードでは、いくら打ち心地が良くても候補から外れる。
この理想を“全部満たす”キーボードが存在するのか?
その答えを求めて、次は構造方式ごとの違いに迷い込んでいく――。
シザー式/パンタグラフ/メカニカル/ロープロファイルの違いで大迷走

「シザー式」なのか「パンタグラフ」なのか、構造の正体を探る
Magic Keyboardは「シザー式」と呼ばれる構造を採用している。
ただこの名称、調べれば調べるほど混乱する。なぜなら「パンタグラフ=シザー式の別名」だと説明するサイトもあれば、両者を区別して語るレビューもあるからだ。
結論としては、ノートPC系キーボードの“ほぼすべて”がシザー式であり、パンタグラフはその派生的な表現に過ぎない。
つまり、Magic Keyboardのタッチ感を求めるなら“シザー式”の中から探すのが正解だという認識に落ち着いた。
「メカニカル=高級」の罠と、軸の世界の深さ
次に試してみたくなったのが、よく耳にする「メカニカルキーボード」。
赤軸・青軸・茶軸など、軸の種類で打鍵感が全く異なるという話を見て「もしかしたらMagic Keyboard以上の打ち心地が手に入るのでは?」と期待した。
しかし、ここでひとつの大誤解に気づく。
メカニカル=高級・上位互換というわけではない。むしろ、真逆だった。
・赤軸:軽めだが、ストロークが深くてふわふわする
・青軸:カチカチ音が心地よいが、かなりうるさい
・茶軸:その中間だが、静音性ではMagicに遠く及ばない
どれも一長一短ではあるが、Magic Keyboardの“底付き感のないタッチ”とは根本的に違うと痛感した。
「ロープロファイル=Magic Keyboardっぽい」は幻想?
さらに登場するのが「ロープロファイルメカニカル」なるカテゴリ。
見た目も高さもMagic Keyboardに似ているため、「これなら代用できるのでは?」と試したくなる。
しかしここでも罠があった。
確かに高さは近いが、打鍵感はやはり“メカニカルの延長”であり、シザー式独特の軽さや跳ね返りは得られない。
物理構造がまるで違う以上、「似て非なるもの」であることがはっきりした。
結論:Magic Keyboard感を求めるなら、ロープロファイルや軸選びの沼に入り込む前に、“構造”の違いを理解するべし。
次は、そうした迷走の末に比較検討した具体的な候補たちを紹介していく!
比較検討した候補たちと、それぞれの強み・弱み

Magic Keyboardからの“卒業”を決めたあと、いよいよ本格的に「次の一台」探しが始まった。
最初に考えたのは純正キーボードの別バージョンだったが、調べるほどに選択肢は多岐にわたり、沼も深かった。
本当にMagic Keyboardの代わりになるのか?
候補ごとに「構造」「配列」「接続」「打鍵感」などの条件を見比べて、実際に触れたり調べたりしてわかってきたことを以下に整理した。
主要5製品の構造・打鍵感・配列・接続性を一覧で比較した表です。
比較項目 | Magic Keyboard | MX Keys(US) | Keychron K3/K7 | Keychron B6 Pro | Macally |
---|---|---|---|---|---|
構造 | シザー式 | シザー式 | ロープロファイル・メカニカル | シザー式 | シザー式 |
打鍵感 | 基準(軽・静) | 非常に近い | やや反発あり | ほぼ同等 | やや安っぽい |
配列 | US選択可 | US可(並行輸入) | US選択可 | US選択可 | USモデルあり |
接続 | Bluetooth(1台) | Bluetooth/USB(3台) | Bluetooth/USB(3台) | Bluetooth/2.4G/USB(3台) | モデル依存 |
以下でそれぞれのキーボードの使用感や注意点など、実体験ベースで補足していきます。
Magic Keyboard:
Apple純正だけあって完成度は極めて高い。
打鍵感、静音性、デザインのバランスはやはり唯一無二。
ただしマルチペアリング不可・接続切替が面倒という弱点はそのまま残る。
「Touch IDなしモデル+Apple Watch併用」なら、選択肢としてはアリ。


MX Keys(US配列):
Magic Keyboardのプロ版ともいえる完成度。
指に吸い付くような感触、静かな打鍵音、フラットで心地よい反応――「これこれ、これが欲しかった」と素直に感じるレベル。
ネックは国内正規流通ではJIS配列しか選べない点。US配列は並行輸入が前提。

Keychron K3 / K7:
見た目はMagic Keyboard寄りだが、構造がロープロファイル・メカニカル軸なので、
打鍵感には「スコッ」とした戻りや跳ね返りを感じる。
赤軸+静音仕様で“Magic風”に寄せることは可能だが、根本の感触はやはり異なる。


Keychron B6 Pro:
Magic Keyboardとほぼ同じ打鍵感、見た目、静音性。
最大3台のマルチ接続、US配列対応、Mac表記ありという高機能に加え、価格が約8,360円という破格。
素材感にやや安さはあるが、「純正に一番近くて一番実用的」と言える一台。


Macally:
価格は魅力的だが、素材感やキータッチに“価格なり”の差がある。
キーの戻りにムラがあり、刻印や配列の細かなクセも気になる場合がある。
「とりあえず安くMagic風が欲しい」ならアリ。ただし長期使用には慎重な検討を。

追記:Satechi ST-BTSX3S
Amazonを漁っていたらなんかこれも良さそうです Mac配列でBluetoothは4台マルチペアリング!
早速ポチりました笑


最終的に重視した決め手と購入直前の不安

打鍵感の「近さ」がすべての出発点だった
「打鍵感がどこまでMagic Keyboardに近いか」という一点に、最終的な判断軸が集約された。
似て非なるメカニカル軸やロープロファイルモデルでは、どうしても“Magicっぽさ”に違和感が残る。
軽くてスッと沈み、跳ね返りがほとんどない感覚を再現できる製品でないと、納得できなかった。
その観点で候補をふるいにかけていくと、Keychron B6 Proが最後まで残った。
US配列が確実に選べる安心感
US配列であることは、個人的に絶対に譲れない条件だった。
配列ミスやJIS誤配送などのレビューも散見されるなか、注文直前まで慎重にチェックした。
Keychronは公式サイトで英語配列/Mac表記つきが明記されており、安心して選べた。
特にB6 Proは、国内正規代理店経由でも「US配列」として明記された販売ルートがあり、確実性が段違いだった。
最後まで気になった「質感」と「保証」
実売価格が6,930円/8,360円 (75%/100%モデル)という圧倒的安さゆえに、「逆に不安になる」というジレンマもあった。
「素材感は?」「キートップの耐久性は?」「保証対応はまともか?」といった不安要素が頭をよぎった。
複数のレビューを読み込んだ結果、質感は多少軽めだが打鍵感には影響なしという評価が多く、
正規流通ルート(Kopek Japanなど)経由なら保証対応もしっかりしているという情報を得て、最終的な後押しとなった。
購入前のまとめ(これから選ぶ人へ伝えたいこと)

シザー式の打鍵感を求めるなら「メカニカル」は近道ではない
Magic Keyboardが好きな人にとって、メカニカルキーボードは別ジャンルの製品だと割り切った方がいい。
たとえ「ロープロファイル」「静音赤軸」といった仕様でも、打鍵感や跳ね返りの感触はやっぱり違う。
軽く、わずかなクリック感を残しつつ、打鍵と同時にキー入力が完了し、文字が即座に反映される感覚。
この繊細なフィーリングは、Magic Keyboardのようなシザー式独特のもの。
メカニカルのカチャカチャ感も悪くはないが、静かに、高速にタイピングしたい場面では、ストロークの深さすら不快に感じてしまう。
だからこそ、メカニカル=高級=Magicより上、という図式に惑わされないことが大事。
妥協すると必ずどこかで後悔する
配列・打鍵感・接続性のうち、どれかひとつでも妥協すると“使っていてストレスになる”瞬間がくる。
たとえば、せっかく打鍵感がよくてもJIS配列だとイラッとしたり、マルチ接続がないといちいちペアリングをやり直したり…。
見た目や値段に釣られて「まあいいか」で選ぶと、あとで絶対にやり直したくなる。
だからこそ、買う前に「自分は何を優先するのか」を書き出してみると判断しやすい。
知識武装と体験重視のハイブリッドが最強
構造の違い、打鍵の癖、配列の落とし穴――
ある程度の知識がないと、比較検討すら正確にできない世界だった。
でも最終的には、自分の指と感覚で確かめた印象がすべて。
スペックで勝っていても、なんかしっくりこない製品はあるし、その逆もある。
だから結局、最強の選び方は:
・知識をつけて候補を絞り込む
・最後は手の感覚で決める
この2つを押さえておけば、大きな後悔はしないはず。

よくある質問
