Parallels Desktop 20のネットワーク設定が無効になる問題と解決法

Parallels Desktop 20でネットワークの初期化が失敗して無効になるトラブルに直面した際の体験談と、実際に解決した方法を詳しく解説します。
Parallels Desktop 20で遭遇したネットワーク初期化失敗と解決の軌跡

Parallels Desktop 20へのバージョンアップ直後、期待とは裏腹に「ネットワークの初期化に失敗しました」というエラーに直面しました。
再起動や設定の見直し、バージョンダウンなど、思いつく限りの方法を試しましたが、問題は解決しませんでした。
「根本から見直すしかない」と考えた私は、macOSのネットワーク設定ファイル「NetworkInterfaces.plist」や「preferences.plist」を削除し再生成する方法を試しました。
ファイル削除とmacOSの再起動後、ついにネットワーク接続が復旧。
具体的な手順を記事として残しておきます。
問題の概要

Parallels Desktop 20へのアップデート後、特定の環境でネットワークの初期化に失敗する問題が報告されています。
この現象では、ゲストOS(仮想マシン)がホストOS(macOS)のネットワーク接続を正常に利用できなくなり、インターネット接続が切断される、またはネットワークアダプタ自体が動作していない状態に陥ります。
症状の具体例

- Parallels DesktopのすべてのVM内で「ネットワークの初期化に失敗しました」といったエラーメッセージが表示される。
- Parallels Desktopのネットワーク設定画面でアダプタが無効化されているように見える。
- ゲストOS内でネットワーク接続が一切検出されず、ブラウザや通信アプリが使用できない状態になる。
問題が発生した背景
この問題の背景には、macOSのアップデートやParallels Desktopの内部構造変更が関与している可能性があります。
具体的には、仮想ネットワークアダプタ(vmenet0、vmenet1)の構成がmacOSと同期しなくなることが原因と考えられます。
また、ネットワーク設定ファイルである「NetworkInterfaces.plist」や「preferences.plist」が破損または不一致の状態になっているケースもあります。
実際の解決法

問題の根本原因を特定した後、以下の具体的な手順を実施することで解決に至りました。
ここでは、仮想ネットワークアダプタの再起動やmacOSのネットワーク設定ファイルの再生成など、実際に有効だった方法を詳しく説明します。
仮想ネットワークアダプタの再起動
まず最初に試したのが、Parallels Desktopで利用される仮想ネットワークアダプタ(vmenet0、vmenet1)の再起動です。
以下の手順で操作を行いました:
- ターミナルを開く
macOSのターミナルアプリを起動します。 - 仮想ネットワークアダプタの停止
以下のコマンドを入力して、現在稼働中の仮想ネットワークアダプタを停止します:sudo ifconfig vmenet0 down
sudo ifconfig vmenet1 down
- 仮想ネットワークアダプタの再起動
停止後、以下のコマンドを入力してアダプタを再起動します:sudo ifconfig vmenet0 up
sudo ifconfig vmenet1 up
- Parallels Desktopの再起動
Parallels Desktopを再起動し、ネットワーク接続が復旧するかを確認します。
macOSネットワーク設定ファイルの削除と再生成
仮想ネットワークアダプタの再起動で解決しない場合、macOSのネットワーク設定ファイルを削除して再生成する方法を試しました。
この手順は以下の通りです:
対象ファイルを特定
以下の2つの設定ファイルを削除します:
/Library/Preferences/SystemConfiguration/NetworkInterfaces.plist
/Library/Preferences/SystemConfiguration/preferences.plist
バックアップを作成
念のため、削除する前にこれらのファイルをバックアップしておきます:
sudo cp /Library/Preferences/SystemConfiguration/NetworkInterfaces.plist ~/Desktop/
sudo cp /Library/Preferences/SystemConfiguration/preferences.plist ~/Desktop/
ファイルの削除
以下のコマンドでファイルを削除します:
sudo rm /Library/Preferences/SystemConfiguration/NetworkInterfaces.plist
sudo rm /Library/Preferences/SystemConfiguration/preferences.plist
macOSを再起動
システム再起動後、ネットワーク設定ファイルが自動的に再生成されるので必ずMacOSの再起動を。
Parallels Desktopのネットワーク再構築
最後に、Parallels Desktopのネットワーク設定をデフォルトに戻す作業を行いました。
- Parallels Desktopの設定画面を開く
[Parallels Desktop] → [設定] → [ネットワーク] に移動します。 - ネットワーク設定のリセット
「ネットワーク設定をリセット」オプションを選択して、初期状態に戻します。 - 仮想マシンを再起動
仮想マシンを再起動し、ネットワーク接続が正常に動作していることを確認します。
解決後のネットワーク動作確認

問題解決の手順を実行した後、ネットワーク接続が正常に動作していることを確認しました。
以下は、動作確認の際に実施したポイントと、再発防止のための留意点です。
正常動作に戻った確認ポイント
- 仮想マシン内でのインターネット接続の確認
仮想マシンを起動し、ウェブブラウザを使用してインターネットへの接続を確認しました。
これにより、ゲストOSが正しくホストOSのネットワークを利用していることがわかりました。 - ネットワーク速度の測定
スピードテストを実施し、ネットワーク速度が通常の範囲内であることを確認しました。
これにより、接続が安定していることを検証しました。 - 複数のアプリケーションでの接続確認
メールクライアントやチャットアプリなど、複数のネットワーク依存アプリを動作させ、問題なく通信できることを確認しました。
再発防止のためのポイント
- 定期的なバックアップの実施
macOSの設定ファイルやParallels Desktopの構成を定期的にバックアップしておくことで、同様の問題が発生した場合でも迅速に復旧できます。 - Parallels DesktopとmacOSのアップデート管理
新しいバージョンがリリースされた場合、互換性や既知の問題を確認してからアップデートを実行することを推奨します。 - ネットワーク設定の見直し
仮想マシンのネットワーク設定を定期的にチェックし、必要に応じて設定を最適化します。
特にブリッジ接続や共有接続の選択が適切かどうかを確認してください。
まとめ

Parallels Desktop 20でネットワークの初期化が失敗し無効になる問題は、仮想マシンのネットワーク環境に大きな影響を与える深刻なトラブルでした。
この記事では、実際に直面した問題とその解決法を詳しく解説しましたが、ポイントは以下の通りです。
- 問題の概要と原因の特定
- 仮想ネットワークアダプタの構成不良や、macOSのネットワーク設定ファイルの破損が原因として疑われました。
- 試行錯誤と解決法
- 仮想ネットワークアダプタ(vmenet0、vmenet1)の再起動。
- macOSのネットワーク設定ファイル(NetworkInterfaces.plist、preferences.plist)の削除と再生成。
- Parallels Desktopのネットワーク設定をデフォルトに戻す作業。
- 動作確認と再発防止策
- インターネット接続やネットワーク速度の確認を実施。
- 再発防止のため、設定のバックアップやアップデートの慎重な管理を推奨。
Parallels Desktop 20を快適に使用するために
今回のトラブルを通じて、仮想環境で発生するネットワーク問題の原因を特定し、解決することが重要だと再認識しました。
また、定期的な設定の見直しや、macOSおよびParallels Desktopのアップデート管理が、安定した仮想マシン環境を維持するための鍵となります。
この記事を参考に、同様の問題を抱える方が迅速かつ効率的に解決できることを願っています。

