ドコモ home5G に楽天モバイルのSIMを挿して使う方法|通信速度・設定手順・注意点を徹底解説

自宅のインターネット環境をもっと安く・シンプルに整えたいと考えたとき、「home5Gルーターに楽天モバイルのSIMを挿す」という選択肢が気になった方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ドコモのhome5G端末に楽天モバイルSIMを挿して実際に通信できるのか?という疑問に答えつつ、設定手順・対応端末・通信速度の傾向・注意点までを詳しく解説します。
既に楽天モバイル回線をお持ちの方や、コスト削減のためにhome5G端末の再活用を検討している方にとって、実用的でリスクの少ない運用方法を紹介する内容です。
初期設定がやや特殊な点もありますが、この記事を読めば誰でも失敗せずに導入できるはずです。ぜひ最後までチェックしてみてください。
楽天モバイルSIMをhome5Gで使うのは可能なのか?

楽天モバイルのSIMカードを、ドコモのhome 5Gルーター(HR01/HR02)で使用することは、技術的には可能です。実際、インターネット上には楽天SIMで通信できたという報告が複数あり、筆者もかつて同様の動作を確認しています。
ただし、あくまでドコモが公式に楽天SIMの利用をサポートしているわけではない点には注意が必要です。
home 5Gルーターの対応バンドと楽天モバイルの相性
楽天モバイルは主にBAND3(1.8GHz帯)を使用しています。一方、home 5Gルーターもこのバンドに対応しており、ハードウェア的には通信可能な構成となっています。
ただし、ファームウェアの仕様変更や挙動差により、通信の安定性や初期接続に差が出る可能性もあるため、利用時は自己責任となります。
実際に使用されている端末と報告状況
以下の2機種において、楽天SIMを用いた通信が可能だったという使用報告が複数確認されています:
- home 5G HR01(シャープ製):初代モデルで、SIMロックはかかっておらず、すべてSIMフリー端末として販売されています。
- home 5G HR02:後継モデルで、こちらもSIMフリー端末です。楽天SIMでの動作報告は複数ありますが、ファームウェアのバージョンによって挙動が異なる可能性があるとの指摘もあります。
いずれも公式に楽天回線での動作保証があるわけではないため、利用にあたっては最新のユーザー事例や端末情報を確認することを推奨します。
なぜ楽天モバイルSIMをhome5Gで使うのか?そのメリットとは

home5Gに楽天モバイルのSIMを挿して使う最大のメリットは、通信コストを抑えながら固定回線代わりに運用できる点にあります。
楽天モバイルは月額3,278円(税込)で無制限のデータ通信を提供しており、うまく活用すれば光回線を解約して1本化することも現実的です。
月額料金の大幅な節約が可能
ドコモ公式のhome5Gプランは月額4,950円ですが、楽天モバイルを使えばそれより約1,700円安く運用できます。
年間で見れば2万円以上の節約につながり、通信費を見直したい人にとっては非常に魅力的な選択肢です。
既存のSIMや端末を有効活用できる
すでに楽天モバイルの契約がある場合は、新規のネット回線契約や解約手続きが不要になります。
また、手元にhome5G端末(HR01やHR02)があるなら、追加コストなしで再利用できるというのも大きなポイントです。
ライトユーザーには十分な通信品質
動画視聴やSNS、Web会議などの用途であれば、楽天回線でも日常的な通信には十分対応可能です。
ヘビーユーザーやゲーマーには不向きなケースもありますが、一般的な家庭用途には実用レベルといえます。
実際の通信速度はどうか?

楽天モバイルのSIMをhome5Gで利用した場合の通信速度は、地域・時間帯・基地局の混雑状況・建物の構造など、多くの要素に左右されます。
そのため、「何Mbps出るのか」といった一律の実測値はあまり意味を持たず、実用性の判断はエリア環境と用途に大きく依存するのが現実です。
通信速度は「エリアと時間帯依存」。体感ベースの評価が重要
楽天モバイルはこれまでBAND3(1.8GHz)を主軸に展開してきましたが、この周波数帯は建物内部や山間部などでの電波浸透にやや弱いという特性があります。
そのため、通信速度に関しては「使ってみるまでわからない」という性質が強く、実際の体感に基づいた判断が最も確実です。
筆者が使用していた頃も、日常用途(動画視聴・SNS・オンライン会議)では問題なく使用できることが多かった一方、時間帯によって通信が不安定になるケースも確認されました。
プラチナバンド(700MHz帯)の商用展開が始まっている
2024年6月、楽天モバイルは総務省の認可を受けて700MHz帯(Band 28)のプラチナバンドの商用サービスを開始しました。
この帯域は壁や障害物に強く、建物内や地下でも通信が安定しやすいという特徴があります。
2025年4月時点で、全国38市区町村にて新たな基地局が開設され、2026年3月までに全国で10,661局の設置を計画中と発表されています。
今後は楽天モバイルの通信品質改善が見込まれており、「以前は遅かった地域」でも使えるようになる可能性があります。
通信環境を見極めるために活用したい外部情報
- 「みんなのネット回線速度(みんそく)」:地域別のユーザー実測値が参照可能
- 楽天モバイル公式のサービスエリアマップ:自分の地域がプラチナバンドの提供対象かどうかを確認できる
通信速度が気になる方は、こうした情報を活用しつつ、お試し運用やデータSIMの一時導入で事前検証するのがおすすめです。
home5G端末ごとのプラチナバンド対応状況
楽天モバイルが2024年6月より提供を開始したプラチナバンド(700MHz帯/Band 28)は、建物内や障害物の多い環境でも通信が安定しやすいことから、注目度の高い周波数帯です。
ただし、使用するhome 5G端末によって、楽天のプラチナバンドを掴めるかどうかが大きく異なります。
HR01(初代モデル)
- Band 28(700MHz帯)対応:あり
- 楽天モバイルの4Gプラチナバンド利用:可能
HR01はドコモが販売した初代home 5G端末で、4G LTEのBand 28に対応しています。そのため、楽天モバイルが提供する700MHz帯の4G通信を利用することが可能です。
HR02(後継モデル)
- Band 28(700MHz帯)対応:なし(4G LTE)
- 5Gのn28(700MHz帯)対応:あり(ただし楽天が提供しているか不明)
- 楽天モバイルの4Gプラチナバンド利用:不可
HR02は後継機としてリリースされたモデルですが、4G LTEのBand 28には対応していません。そのため、楽天モバイルのプラチナバンド(Band 28)を利用することはできません。
また、5Gのn28には対応しているものの、現時点で楽天モバイルがn28の5G通信を提供しているという情報は確認されていません。
このように、プラチナバンド対応の可否は、端末によって大きく異なるため、導入前に必ず確認しておくことをおすすめします。
楽天モバイルSIMをhome5Gで使う設定手順

楽天モバイルのSIMをhome5Gで使うためには、いくつかの手動設定が必要です。
ドコモの公式契約を前提に設計された端末であるため、楽天SIMを挿すだけでは通信できない場合があり、APNの設定や場合によっては本体の初期化作業が必要になることもあります。
端末を初期化してから設定を始めよう
中古で入手したhome5G端末を使う場合、前ユーザーの設定が残っている可能性があります。
このまま設定を進めると、通信できない・管理画面に入れないなどの不具合に繋がることがあるため、最初にハードリセット(初期化)を行うのが安全です。
HR01/HR02のリセット方法:
- 電源が入った状態で、本体の「リセット」ボタンを細いピンなどで5秒以上長押し
- インジケーターランプが点滅し、再起動すれば初期化完了
この初期化を行うと、Wi-Fi設定やAPN設定もすべて初期状態に戻るため、次に紹介する手順を参考に再設定してください。
home5G端末の電源をオフにし、nanoSIMスロットに楽天モバイルのSIMを挿入します。SIM挿入後、電源を入れてください。
home5g 設定画面を開く
スマホやPCでブラウザを開き、「http://192.168.128.1」にアクセスします。ログイン画面が表示されたら、初期IDとパスワード(本体裏面参照)でログインしてください。
可能であればLANケーブルなどで本体と設定用PCなどを有線接続する方が安定します。

モバイルネットワーク設定画面にて「APNを手動設定」を有効にし、以下の情報を入力します。
・APN:rakuten.jp
・ユーザー名/パスワード:空欄
・認証方式:CHAPまたはPAP
・MCC:440
・MNC:11
・APNタイプ:default,supl,dun
プロファイル名 | rakuten(任意でOK) |
apn名 | rakuten.jp |
ユーザー名 | 空白 |
パスワード | 空白 |
認証方式 | CHAP |
IPタイプ | IPv4/IPv6 |
IPタイプ(ローミング) | IPv4/IPv6 |

画面1番下の保存をお忘れなく。
APNの一覧の画面をみると それぞれのAPNの項目の右上に青い◯のチェックがあるので
それを楽天側にチェックをいれて 適用 を押す。
設定内容を保存し、端末を再起動します。再起動後、楽天回線への接続が自動的に開始され、通信が可能になります。
利用にあたっての注意点とリスク

楽天モバイルのSIMをドコモのhome 5G端末に挿して利用する方法は、公式に推奨されている使い方ではありません。
そのため、以下のような注意点やリスクを事前に理解した上で導入を検討することが大切です。
SIMロックやファームウェアによる制限
現在販売されているhome5G端末(HR01/HR02)は、すべてSIMフリー仕様で提供されています。
しかし、ファームウェアのバージョンや端末の挙動によっては、ドコモ回線以外のSIMで正常に通信できない可能性もあるため注意が必要です。
また、将来的なアップデートによって楽天SIMでの利用が制限される可能性も否定できません。
通信が安定しないエリアでは実用性が低下
楽天モバイルの回線は都市部を中心にエリア整備が進んでいるものの、建物内や郊外では電波が不安定になることがあります。
特にプラチナバンド非対応のHR02端末を使用する場合は、通信品質に大きな差が出る可能性があります。
導入前に、サービスエリアマップや外部の実測レビューを確認し、自宅が十分な電波環境にあるかを見極めることが重要です。
サポート対象外となる可能性
home 5G端末は、ドコモのネットワーク利用を前提として設計・販売されているため、楽天モバイルのSIMでの使用中に発生したトラブルについては、メーカー保証やキャリアサポートの対象外となる場合があります。
あくまでも「自己責任での活用」となる点は忘れずに認識しておく必要があります。
よくあるFAQ

まとめ|home5G × 楽天SIMは“節約派”に最適な組み合わせ

ドコモのhome5G端末に楽天モバイルのSIMを挿して使うという方法は、少しクセのある非公式な使い方ではありますが、うまく条件が合えば非常にコストパフォーマンスの高い通信環境を構築できます。
特に、すでに楽天モバイル回線を契約している方や、home 5G端末を手元に持っている方にとっては、新たな月額契約を追加することなく自宅回線を再構築できるメリットがあります。
一方で、対応バンドや通信安定性に左右されやすい点、保証やサポートの対象外である点など、いくつかの制限や注意点も存在します。
このあたりを理解した上で、自己責任で試す価値は十分にあるといえるでしょう。
「高額な光回線は使いすぎかも」「データ通信だけできれば十分」──
そんな節約志向のユーザーにとって、この構成は“賢い選択肢”になり得る可能性があります。
